投稿者: chromaticjp

  • King Gnu、米津玄師、Vaundy──“J-POPを壊した男たち”の構造

    King Gnu、米津玄師、Vaundy──“J-POPを壊した男たち”の構造

    売れるだけじゃ、足りない。

    J-POPは変わった。
    いや、変えられたと言うべきだろう。

    King Gnu、米津玄師、Vaundy。
    この3組は“J-POP”というジャンルを歌やメロディの次元で超えたのではない。
    ポップ音楽の「設計図」そのものを組み替えてしまった。

    彼らの音楽が“刺さる”のは、音が良いからではない。
    構造に思想があるからだ。
    そして、その思想がリスナーの「聴く姿勢」さえも書き換え始めている。

    フックではなく“物語構造”で魅せる

    J-POPの多くは長らく、Aメロ → Bメロ → サビの三幕構成、
    あるいは「サビ始まり」のフック重視型で成立してきた。
    キャッチーで一聴して覚えられる、明快な山場をつくる構成は、ヒット曲を支えてきた王道だ。

    だが、彼らは“どう構成するか”そのものに意味を持たせている。

    King Gnu「白日」

    冒頭でいきなりサビが訪れる。
    そこから徐々に情景が語られていく構成は、まるで未来を見せてから過去をたどる“回想映画”のようだ。

    米津玄師「Lemon」

    静かなピアノで幕を開け、言葉とメロディがゆっくりと感情を溶かしていく。
    クライマックスに向けて熱を帯びていく構成は、まさに“情動のグラデーション”。

    Vaundy「怪獣の花唄」

    構成ごとにリズムや展開が変化し、まるで楽曲そのものが生きているかのように躍動する。
    明確な転調はないが、聴感上の景色が確かに変わっていく。

    彼らがつくっているのは、一曲ではなく、「時間の流れと感情の曲線」そのものだ。
    音楽がシーン単位で切り取られ、消費される現代において、
    サビが拡散されることすら、はじめから計算に入っている。
    その構造は、単なるフックではなく、戦略であり、物語である。

    ジャンルを“越える”のではなく“編む”

    彼らのもうひとつの革新は、「ジャンルレス」ではない。
    むしろジャンルを“引用素材”として扱う姿勢にある。

    King Gnu

    クラシック、ソウル、ジャズ、ハードロックを自在に編み込み、
    それをバンドアンサンブルとして再構成する。演出であり、再演でもある。

    米津玄師

    ヒップホップ、民謡、ロック、ポップを溶かし、自身の世界観に取り込み、
    詩世界の背景美術として配置する。

    Vaundy

    ポップスを装いながら、トラップ、シティポップ、歌謡、EDMを自由に横断し、
    最終的に「Vaundyらしさ」というひとつの色に染め上げていく。

    これはもはや「ジャンルを超えた音楽」ではない。
    ジャンルそのものを分解し、組み直す“編集的美学”だ。

    「語りかけ」ではなく、「覗き見る」歌詞

    かつてJ-POPの歌詞は、“伝える”ものだった。
    好き、寂しい、ありがとう――感情はまっすぐに向けられていた。

    だが、彼らの歌には、少し距離がある。

    King Gnu

    関係性をぼかし、曖昧な視点で感情を描く。
    まるで主人公の背後からそっと覗き見るような構図だ。

    米津玄師

    一人称は「僕」だが、それは他者に語りかけるのではなく、
    自身の記憶を反芻するように紡がれる。
    それは、読まれることを前提とした日記に近い。

    Vaundy

    自己投影しながらも、“演じる余地”と“虚構性”を残している。
    そこに、感情を押し付けず、遊びとして残す余白がある。

    これは「感情移入」ではなく、感情を観察し、距離をもって味わう、
    新しいリスナー体験の設計と言えるだろう。

    chromatic的考察

    彼らはJ-POPを「壊した」のではなく、「分解した」

    しばしば「J-POPを壊した」と言われるが、
    彼らが実際に行っているのは、破壊ではない。

    構造の解体と再構築である。

    コード進行、ジャンル、詞世界、映像、そして聴かれる場面。
    それらを一度すべてバラし、再び組み直すことで音楽を“設計”している。
    彼らはアーティストであり、設計者だ。

    彼らが示したのは、
    売れる音楽は、予定調和でなくても成立する、という証明だった。

    その波の先には、まだ名前のついていない
    J-POPの新しい空白が、静かに広がっている。

  • 「あれから1年。誰も忘れられない、ケンドリックとドレイクのビーフ。」

    「あれから1年。誰も忘れられない、ケンドリックとドレイクのビーフ。」

    chromatic japan|特集記事

    ドレイク vs ケンドリック──あの春、ヒップホップは剥き出しになった。


    ライムじゃない。

    これは、名誉と本能の戦争だった。

    2024年5月。
    Kendrick LamarとDrake、ヒップホップ界を代表するふたりが、限界を超えたビーフを展開した。
    一触即発の冷戦状態だった彼らが、ついに火をつけたのは5月3日夜。

    Drakeが放った「Family Matters」。
    その24分後、Kendrickが「Meet the Grahams」で真っ向から人格を攻撃。
    翌日にはDJ Mustardがプロデュースした「Not Like Us」で、とどめを刺すような祝祭の一撃を決めた。

    あれから一年。
    あの週がいまだに時代の震源地として語られ続けている理由は、たしかにある。


    “ライムの戦い”ではなく、”人間性の崩し合い”

    このビーフの異質さは、暴露合戦の過激さにある。
    Kendrickは「Meet the Grahams」でDrakeの家族ひとり一人に語りかけ、
    母親に対してはこう歌った:

    “I think n****s like him should die”(「ああいう奴は死ぬべきだ」)

    一方Drakeは、TDE周辺の性加害疑惑を取り上げ、Kendrickを間接的に責め立てた。

    両者とも、女性への暴力や育児放棄、性的逸脱といった、
    音楽とは別次元の倫理問題をリリックに取り込んだ。
    それは、“誰が優れたMCか”ではなく、
    “誰が人として終わっているか”の殴り合いだった。


    数字で見る「Not Like Us」の衝撃

    • Billboard Hot 100で初登場1位獲得
    • 全米で9×プラチナ認定(900万ユニット以上)
    • スーパーボウル、NBA試合、政界イベントでも頻繁に使用
    • KendrickのGrand National Tourで毎公演セットリスト入り
    • YouTubeでは現在までに1億再生超え

    Drakeの「Family Matters」も高評価を受けたが、
    その上をいく文化現象となったのが「Not Like Us」だった。


    訴訟という“第2ラウンド”

    2024年11月、DrakeはUMG(ユニバーサル・ミュージック・グループ)を提訴。
    「Not Like Us」が、不自然な形でバイラルヒットとなったとして、
    UMG・Spotify・iHeartRadioが共謀したと主張。

    彼の法廷資料には、Kendrickのスーパーボウルでのパフォーマンス映像も「名誉毀損の証拠」として含まれていた。

    ただし、Spotify・iHeartRadioとはすでに和解済み。
    現在はUMGとの対立が継続中。

    Drakeの訴訟は「アーティストの権利を守る動き」とも解釈されるが、
    多くのファンは、“悔しさの表出”に過ぎないと冷ややかに見ている。


    「勝ち負け」ではなく「信仰」へ変化したファンダム

    このビーフの最も厄介な余波は、“スタン文化”の過熱だ。

    Redditでは「r/DarkKenny」のようなKendrick礼賛コミュニティが拡大し、
    X(旧Twitter)では“Drakeが勝った証拠”が日々ポストされ続ける。
    両者のSpotify月間リスナー数は、まるで戦争スコアのように扱われる。

    さらに、「Meet the Grahams」で語られた隠し子疑惑に反応し、
    ネット上ではランダムな子どもの写真が“検証”対象になる始末。

    そして何より危ういのは、
    性加害やDVといったテーマさえ、勝ち負けの材料に変質してしまったことだ。


    chromatic的考察:このビーフが示した「音楽の暴走」

    この闘いが教えてくれたのは、
    音楽が人を癒すと同時に、人を傷つける武器にもなりうるということ。

    ケンドリックとドレイクは、ともにラップの力を信じて戦った。
    だがその過程で、彼ら自身もまた、メディアとスタン文化の“消費対象”になってしまったのかもしれない。

    私たちはいつから、
    “誰の曲が好きか”ではなく、
    “誰の人格を守るか”で音楽を聴くようになったのだろう。


    編集部セレクト|もう一度聴くべき3曲

    • Kendrick Lamar – “Meet the Grahams”
    • Drake – “Family Matters”
    • Kendrick Lamar – “Not Like Us”

    ChromaticHallOfFame #KendrickVsDrake #BeefBeyondBars #SoundAndConsequences
  • Liam & Noel Gallagher|Oasis再結成、再び“平行線”の兄弟劇場

    Liam & Noel Gallagher|Oasis再結成、再び“平行線”の兄弟劇場

    アフターパーティーはくだらない奴らのためのものだ」とリアムは言った

    オアシス再結成――この言葉に世界中の音楽ファンが胸を高鳴らせた。

    しかし、兄弟であるリアムとノエル・ギャラガーの関係は、やはり一筋縄ではいかないようだ。

    「同じバンド。でも、違う夜」

    英紙『The Sun』の報道によれば、ツアー主催者はバックステージで二人を完全に分けるよう指示。

    VIPリストも別々に作成され、どちらからチケットをもらったかで、参加できるアフターパーティーが変わるという前代未聞の「兄弟分断オペレーション」が進行中だという。

    加えて、ライブ終了後は“完全に別のアフターイベント”が行われるとのこと。

    Liamの反応は…らしさ全開

    この報道に対し、リアム・ギャラガーはX(旧Twitter)でこう切り返した:

    「アフター・パーティーなんてどうでもいい奴らのためのものだ。

    ライブの後は寝る。セクシーでいるためにはくだらない奴と話してちゃダメなんだ。」

    この“Liam節”こそが、永遠のロックスターとしての証明でもある。

    一方、兄弟はロンドンで一緒に現れる

    奇妙なことに、報道と同時期、リアムとノエルはロンドン・ニューイントン・グリーンで一緒に撮影現場に現れた姿が目撃されている。

    撮影内容は「Adidasの広告キャンペーン」との噂。

    完全に断絶しているわけではないという謎めいた距離感が、ファンの妄想と期待を加速させている。

    Oasis再結成ツアー、ついに始動

    41公演に及ぶ再結成ツアーでは、以下のサポートアクトも明らかにされている:

    リチャード・アシュクロフト ケイジ・ジ・エレファント キャスト ボール・パーク・ミュージック

    また、参加メンバーは以下の通り:

    アンディ・ベル(ベース) ゲム・アーチャー(ギター) ポール・“ボーンヘッド”・アーサーズ(ギター) ジョーイ・ワロンカー(ドラム)

    (chromatic pick)

    「和解」と「再会」は違う。

    リアムとノエルは、“共演するけど交わらない”という新しい兄弟の形を、ロック史に刻もうとしているのかもしれない。

    今、Oasisは単なるバンドではなく、“物語としてのバンド”になった。

    その物語を追うのも、音楽ファンの特権だ。

    Oasis Live ’25 ツアー日程

    以下は、Oasisの2025年再結成ツアー「Live ’25」の主な日程です。

    🇬🇧 UK & アイルランド

    7月4日(金) – カーディフ, Principality Stadium 7月11日(金) – マンチェスター, Heaton Park 7月25日(金) – ロンドン, Wembley Stadium 8月8日(金) – エディンバラ, Scottish Gas Murrayfield Stadium 8月16日(土) – ダブリン, Croke Park

    🇺🇸 北米

    8月24日(日) – トロント, Rogers Stadium 8月28日(木) – シカゴ, Soldier Field 8月31日(日) – ニュージャージー, MetLife Stadium 9月6日(土) – ロサンゼルス, Rose Bowl 9月12日(金) – メキシコシティ, Estadio GNP Seguros

    🇯🇵 日本

    10月25日(土) – 東京, 東京ドーム 10月26日(日) – 東京, 東京ドーム

    詳細な日程やチケット情報は、Oasis公式サイトをご確認ください。

    📌 #OasisReturns #GallagherBrothers #AfterpartyDivide #ChromaticPicks #RockMythology

  • ジミー・ペイジと「Dazed and Confused」訴訟のその後:終わらぬ余韻と伝説の影

    ジミー・ペイジと「Dazed and Confused」訴訟のその後:終わらぬ余韻と伝説の影

    「あのリフは誰のものだったのか?」

    ロックの歴史に刻まれた名曲「Dazed and Confused」。
    しかしその背後には、もうひとつの物語が存在した。

    2025年、**ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)が再び法廷の名に登場した。
    問題となったのは、あの象徴的な楽曲「Dazed and Confused」の
    オリジナル作者は誰か?**という、長年論争の的となってきた問題だ。

    裁判を起こしたのは…Jake Holmes

    オリジナルの楽曲「Dazed and Confused」は、実はJake Holmesというシンガーソングライターが1967年に発表したもの。ペイジはその楽曲を元にしながら、Led Zeppelinの代表曲として昇華させたが、公式なクレジットはなかった。

    この問題を巡って、過去にも訴訟は起こされていたが、今回の訴訟は再燃とも言える形で進行していた。

    結論:最高裁が棄却

    この度、アメリカ最高裁判所はJake Holmes側の請願を正式に棄却。これにより、ジミー・ペイジとLed Zeppelinに対する訴訟は終結となった。

    つまり、ペイジの「Dazed and Confused」は法的に問題なしと確定した形だ。

    Dazed and Confused – その響きは誰のものか

    この件が残したのは、法的な判決だけではない。
    音楽における**「インスピレーション」と「盗作」の境界線**、
    そして「オマージュは誰のものか?」という創作における根源的な問いだ。

    chromatic pick

    ジミー・ペイジという存在は、単なるギタリストではない。
    「リフの魔術師」とも言われ、音の重ね方ひとつで時代の空気を変えてしまう存在だ。
    今回の訴訟が終結したことで、私たちは改めてその功績とグレーゾーン
    を見つめ直す機会を得たのかもしれない。

    #IconsUncovered #GuitarLegends #DazedAndConfused #ChromaticPicks

  • Maroon 5 × Lisa(BLACKPINK)初のコラボ楽曲「Priceless」リリース

    Maroon 5 × Lisa(BLACKPINK)初のコラボ楽曲「Priceless」リリース

    ポップとK-POPが交差する、2025年最大のグローバルヒット誕生か

    アメリカのポップ・ロックバンド Maroon 5 と、K-POP界のスター Lisa(BLACKPINK) による初のコラボ曲「Priceless」が、2025年5月2日に全世界同時配信された。

    本作は、Maroon 5にとって約2年ぶりとなる新曲であり、今夏リリース予定の8枚目のアルバムからの先行シングルとなる。

    楽曲情報

    • タイトル:Priceless
    • アーティスト:Maroon 5 feat. LISA
    • リリース日:2025年5月2日
    • ジャンル:ポップ・ロック、ポップ・ラップ
    • 収録時間:2分43秒
    • レーベル:222 Records / Interscope Records
    • 作詞・作曲:Adam Levine、Sam Farrar、Lisa、Federico Vindver、J Kash、Michael Pollack、Ali Tamposi、Leah Rajagopalan
    • プロデューサー:Adam Levine、Sam Farrar、Federico Vindver、J Kash、Noah Passovoy

    制作の裏側

    「Priceless」は、Maroon 5がかつてのギター主導サウンドに回帰したような印象的な1曲だ。
    冒頭はAdam LevineがiPhoneで録音したというアンプラグドのギターから始まり、Lisaの自信に満ちたラップが軽やかに響く。

    Levineはこの曲について「アルバム制作中に最も早く生まれた楽曲で、リサが加わってくれたことで特別なものになった」とコメントしている。

    チャート&反響

    • Spotifyグローバルチャート:初登場31位(248万ストリーム)
    • YouTube:公開24時間で再生回数500万回突破
    • SNS:X(旧Twitter)で世界トレンド1位

    Spotifyでの初日ストリーミング数は、Maroon 5史上最高を記録。Lisaファン層からの支持も厚く、世界中のプレイリストに即日追加されている。

    ミュージックビデオも話題

    MVはロサンゼルスで撮影され、「Mr. & Mrs. スミス」風のスパイカップルをLevineとLisaが演じる。
    35mmフィルムでの撮影と、監督Aerin Morenoによるシネマティックな演出が高評価を集めている。

    ▶️ 試聴リンク・MV

    (by chromatic japan)

    マルーン5が原点に立ち返った音像と、Lisaの持つグローバルな存在感。
    この組み合わせは、ただの話題性では終わらない“音楽としての完成度”を感じさせる。

    2025年のプレイリストに欠かせない1曲になるだろう。

  • リル・ウェインが語る『Tha Carter VI』の全貌と、スーパーボウルをめぐる苦悩──インタビュー要点まとめ

    リル・ウェインが語る『Tha Carter VI』の全貌と、スーパーボウルをめぐる苦悩──インタビュー要点まとめ

    『Tha Carter VI』:ジャンルを超えたコラボレーション

    リル・ウェインは、6月6日にリリース予定のアルバム『Tha Carter VI』について、これまでで最も多様なコラボレーションを含む作品になると語っています。

    参加アーティストには、マイリー・サイラス、マシン・ガン・ケリー、エレファント・マン、ワイクリフ・ジョン、U2のボノ、息子のカメロン・カーター、そしてオペラ歌手のアンドレア・ボチェッリが名を連ねています。

    特にボチェッリとのコラボレーションでは、ウェインの人生にインスパイアされた「Ave Maria」を収録。ワイクリフ・ジョンは、ボチェッリにウェインの人生を伝えるためにイタリアまで飛び、彼の参加を実現させました。

    また、ビリー・アイリッシュのサンプルを使用したトラックや、カニエ・ウェスト、ウィージーによるプロデュース曲も含まれる予定です。さらに、ビギーと2パックのフローを模倣した楽曲や、故マシュー・ペリーへのオマージュを含む楽曲も収録されるとのことです。

    スーパーボウル・ハーフタイムショーへの失望

    ウェインは、2025年のスーパーボウルLIXが地元ニューオーリンズで開催されることから、ハーフタイムショーへの出演を強く望んでいました。そのために、普段は参加しないようなイベントやパーティーに出席し、NFL関係者との関係構築に努めていたと述べています。

    しかし、最終的にケンドリック・ラマーが起用され、ウェインは大きな失望を感じたと語っています。彼は「彼らはその感情を奪った。だから、もうやりたくない」と述べ、今後スーパーボウルのハーフタイムショーに出演することはないと明言しました。

    また、NFLからの謝罪があったものの、ウェインはその対応に納得していない様子で、「彼らは自分たちが責任者ではないと言った」と語っています。

    父親としてのウェイン

    インタビューでは、父親としてのウェインの一面も明らかになりました。彼は、息子たちの成長に伴い、彼らの音楽活動をサポートしていると述べています。特に、息子のカメロン・カーターとのコラボレーションについては、「Like Father, Like Son」の続編を制作する可能性も示唆しました。Lil Wayne Forum

    ウェインは、「自分が彼らの年齢のときに何をしていたかを考えると、比較せずにはいられない」と語り、父親としての誇りと責任を感じていることが伺えます。


    まとめ

    リル・ウェインの最新インタビューは、彼の音楽活動だけでなく、個人的な感情や家族への思いが詰まった内容となっています。『Tha Carter VI』は、ジャンルを超えたコラボレーションと彼の人生経験が融合した作品となりそうです。また、スーパーボウル・ハーフタイムショーへの失望や父親としての姿勢など、彼の人間味あふれる一面も垣間見ることができました。

    今後のリリースや活動に注目が集まる中、ウェインの音楽と人生に対する真摯な姿勢が、多くのファンの共感を呼ぶことでしょう。


    詳細なインタビュー内容は、Rolling Stone誌の2025年5月号でご覧いただけます。

  • ピンク・フロイドが蘇る――『アット・ポンペイ』、4Kリマスター版が全国追加上映決定

    ピンク・フロイドが蘇る――『アット・ポンペイ』、4Kリマスター版が全国追加上映決定

    2025年5月2日|文:クロマティック編集部

    Photo: Sony Music

    1971年、古代ローマ遺跡で行われた無観客ライヴ。
    それはただの演奏ではなく、音楽が時間と空間を越えた瞬間だった。
    『ピンク・フロイド・アット・ポンペイ』は、今もなお**“ロックと映像の境界線を破壊した作品”**として語り継がれている。

    そして2025年、その映像が4Kで蘇る。
    全国の映画館で、追加上映が決定した。

    🕰️ 世界遺産で“誰もいない観客席”に向けて鳴らされた音
    『ピンク・フロイド・アット・ポンペイ』は、イタリア・ポンペイ遺跡にて行われた観客ゼロのライヴパフォーマンスを収めたドキュメンタリー映画。
    演奏は1971年10月、円形闘技場にて収録されたもので、**“史上初のポンペイ遺跡でのコンサート”**としても記録されている。

    監督はエイドリアン・メイベン。
    当時の35mmフィルムを4Kデジタルリマスターし、音源はポーキュパイン・ツリーのスティーヴン・ウィルソンが2025年最新リミックスを手がけた。

    「これはバンドの『狂気』以前のレアな記録だ」
    ──ニック・メイスン(ドラマー)

    🎥 上映情報(IMAX / Dolby Atmos 対応もあり)
    上映劇場では、Dolby AtmosやIMAXによる立体音響対応の回も用意されており、まさに「ライブの中に入り込むような体験」が可能。
    以下に一部の劇場スケジュールを抜粋:

    IMAX / Dolby Atmos上映劇場
    東京|TOHOシネマズ日比谷|5/12(月)〜5/16(金)

    大阪|TOHOシネマズ梅田 |5/16(金) ※Dolby Atmos

    通常スクリーン上映劇場
    東京|109シネマズ木場|5/14(水)のみ

    神奈川|109シネマズ川崎・ゆめが丘|5/14(水)のみ

    大阪|109シネマズエキスポシティ|5/12(月)〜5/15(木)

    特別上映劇場(全席プレミアム)
    東京|109シネマズ プレミアム新宿|5/9(金)〜5/15(木) ※5/11休映
    ┗ 全席プレミアム+坂本龍一監修音響システム「SAION -SR EDITION-」搭載
    ┗ A席:¥5,700 / S席:¥7,700(会員割引あり)

    🖥️ 上映スケジュールの詳細はこちら

    📝 編集部コメント:50年経っても「今見る意味」がある映像体験
    『アット・ポンペイ』は、音楽と空間、そして“無”との対話である。
    観客不在の闘技場に鳴り響く実験音楽。その孤独さは、どこか現代の私たちが抱える感覚にも通じる。

    今だからこそ見返すべき作品かもしれない。
    ピンク・フロイドが問いかけた「音とは何か」という原点に、もう一度立ち返るために。

    音楽ではなく、時間芸術。
    ロックではなく、記録された幻覚。
    それが『アット・ポンペイ』だ。

  • オジー・オズボーン、ブラック・サバス最後のステージへ──「立てなくても、俺は出る」

    オジー・オズボーン、ブラック・サバス最後のステージへ──「立てなくても、俺は出る」

    2025年5月2日(金)|文:クロマティック編集部

    オジー・オズボーンが、ブラック・サバスとしての最後のライヴに向けた意気込みを語った。健康問題を抱えながらも、彼はステージに立つ決意を固めている。

    🩺健康問題と向き合いながらの決意
    2019年の転倒による脊椎損傷の悪化、複数の手術、肺炎、感染症、そしてパーキンソン病と、オジーは数々の健康問題に直面してきた。しかし、彼は「出るつもりだよ。最善を尽くすつもりだ」と語り、ステージに立つ意志を示している。

    「昔は2時間のステージをやって、走り回ったり、飛び回ったりしていた。今はそんなに走り回ったり、飛び回ったりすることはできないと思う。座っているかもしれない」と、現在の体調を踏まえた上でのパフォーマンスになることを明かしている。

    🎸「Back to the Beginning」──最後のライヴ詳細
    ブラック・サバスの最後のライヴは、「Back to the Beginning」と題され、7月5日にバーミンガムのヴィラ・パークで開催される。オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードの結成メンバーが20年ぶりに揃い踏みする。

    また、メタリカ、スレイヤー、スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン、ゴジラ、コーン、アンスラックスらも出演予定で、ヘヴィメタル界の祭典となる。

    💬周囲の声とオジーの想い
    トゥールのフロントマン、メイナード・ジェームス・キーナンは、オジーの出演に懸念を示しつつも、「最高のことになるのを願っている」と語っている。

    一方、妻のシャロン・オズボーンは、「彼は本当に元気で、声に影響はない」と述べ、オジーのパフォーマンスへの期待を寄せている。

    オジー自身も、「明日の朝、目が覚めてみると、別の部分が悪くなっていたとする。そうすると、これが終わることはないのかと思い始めるんだ」と語りつつ、最後のコンサートが「朝起きる理由を与えてくれるもの」として、前向きな気持ちを持っている。

    📝編集部コメント:感謝を伝える最後のステージ
    オジー・オズボーンのブラック・サバスとしての最後のライヴは、単なるパフォーマンスではなく、ファンへの感謝を伝える場となるだろう。健康問題を抱えながらも、ステージに立つ彼の姿は、多くのファンにとって忘れられないものとなるに違いない。

    ▶️ SpotifyでOzzy Osbourneを聴く

    📸 Ozzy Osbourneの最新の姿はInstagramで
    最新の投稿や日常の一コマ、舞台裏の様子など、“今のオジー”を知るにはInstagramが一番確実です。
    ファンにとっての「生存報告」は、そこにあります。

    👉 @ozzyosbourne – Instagram公式アカウント

    Ozzy Osbourne (@ozzyosbourne) • Instagram写真と動画

  • ガンズ・アンド・ローゼズ、新ドラマー迎えた韓国公演で“再起動”のセットリストを披露

    ガンズ・アンド・ローゼズ、新ドラマー迎えた韓国公演で“再起動”のセットリストを披露

    2025年5月1日|文:クロマティック編集部

    Photo: GETTY

    アメリカを代表するロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)が、新ドラマーを迎えての初公演を韓国で実施。
    新たなリズム隊とともに踏み出した第一歩は、バンドの歴史と現在地を同時に鳴らすものとなった。

    新ドラマー、アイザック・カーペンター加入の経緯
    2024年に脱退を表明したフランク・フェラーの後任として、バンドは新たにアイザック・カーペンター(Isaac Carpenter)の加入を発表。
    彼はこれまでにAWOLNATIONをはじめ、ア・パーフェクト・サークル、アダム・ランバート、そしてダフ・マッケイガン率いるLoadedなどでも腕を振るってきた実力派ドラマーだ。

    フランク・フェラーは2006年から18年にわたりバンドを支えてきたドラマーで、スラッシュやダフ・マッケイガンの再加入よりも前から在籍していた。
    その長きにわたる貢献に敬意を表しつつ、バンドは次なる章へと進み始めている。

    🇰🇷 韓国・仁川公演(2025年5月1日)セットリスト
    記念すべき最初のステージは、韓国・仁川(インチョン)にあるソンド・ムーンライト・フェスティバル・パークにて開催。
    オープニングには2012年以来となる「Welcome to the Jungle」を配置。過去と現在が交差する23曲のセットが展開された。

    セットリスト:
    Welcome to the Jungle

    Bad Obsession

    Mr. Brownstone

    Chinese Democracy

    Live and Let Die(Wings カバー)

    Slither(Velvet Revolver カバー)

    Perhaps

    Estranged

    Double Talkin’ Jive

    Coma

    Sorry

    Better

    Knockin’ on Heaven’s Door(Bob Dylan カバー)

    It’s So Easy

    Rocket Queen

    Slash ギターソロ(“Pride & Joy” by Stevie Ray Vaughan)

    Sweet Child O’ Mine

    November Rain

    Wichita Lineman(Jimmy Webb カバー)

    Patience

    Nightrain

    Paradise City

    📹 ライブ映像がYouTubeで公開中
    最新の仁川公演の様子はYouTubeでも視聴可能。圧巻のステージパフォーマンスをぜひ体感してほしい。


    スラッシュ、X(旧Twitter)からの撤退を表明
    ギタリストのスラッシュ(Slash)は、最近X(旧Twitter)での活動を終了することを発表。
    「度重なるハッキング被害を受けたこと」を理由に挙げ、今後はInstagram、TikTok、Facebookを中心にファンとの交流を続けていくと述べている。

    「Xを離れて、今後はこのプラットフォームでは活動しないことにしました。どのようにファンとつながり続けるかを見直すタイミングだと感じています。」
    — Slash(公式声明より)

    SNSを通じたファンとのコミュニケーションのあり方にも、新しいフェーズが訪れつつある。

    ▶️ SpotifyでGuns N’ Rosesを聴く

    編集部コメント

    確かに、新章の幕開けとしては「意外性」に欠けるセットだった。
    新ドラマー加入という節目の公演にしては、これまで通りの“ガンズらしさ”が丁寧に並んでいたとも言える。

    だが、そこに「物足りなさ」を感じるのは、もしかすると我々の方が間違っているのかもしれない。

    ファンは、もはや“革新”を求めているわけではない。
    ただ一目、ステージに立つ彼らの姿を見たい。
    あのイントロを、あのリフを、あの声を耳にしたい──それだけで十分。

    ガンズ・アンド・ローゼズというバンドは今、
    “進化”ではなく“継続”の価値を体現している。
    その姿勢が、これからのロック・バンドの一つの在り方を示しているのかもしれない。

  • ジョー・ボナマッサ──ブルースの古さと新しさを、ギターで繋ぐ男

    ジョー・ボナマッサ──ブルースの古さと新しさを、ギターで繋ぐ男

    # ジョー・ボナマッサ──ブルースの古さと新しさを、ギターで繋ぐ男

    イントロダクション:クラシックな魂を現代に呼び戻す

    ブルースは、古い音楽だ。
    だけど、ジョー・ボナマッサのギターを聴くと、その“古さ”が新鮮に感じられる。

    マディ・ウォーターズやBBキングが描いたブルースの系譜を、彼は新しい皮膚のまま、真っ直ぐに継いでいる。
    70年代のマーシャル、ギブソンのレスポール、スーツ姿の佇まい。
    どれもクラシカルだけど、なぜか時代遅れには見えない。

    その理由は、彼の音にある。
    過去をなぞるのではなく、過去を今に引きずり込むような“現役感”。
    それが、ジョー・ボナマッサというギタリストを特別にしている。

    SpotifyとYouTubeのリンクを貼っておく。文章と一緒に、耳でも確かめてほしい。

    “ギターで語る”ことに命を懸ける

    ボナマッサのギターには、焦燥感がある

    彼のギターは、ときどき走っているように聴こえる。
    じっとしていられないような、内側からの焦りや衝動が音になって溢れてくる。

    それは、ただの速弾きとは違う。
    感情の早送りみたいな感じだ。
    コードとコードのあいだを縫うように、リックやフレーズが滑り込んでくる。

    そしてふいに、ゆっくりとした音が戻ってきて、呼吸を整える。
    その緩急こそが、ボナマッサのブルースだと思う。

    歌とギターのあいだにある“会話”

    ジョー・ボナマッサは、ボーカルもとてもいい。
    ただ、彼の歌とギターは別人格のように振る舞う。

    たとえば《Sloe Gin》では、彼の声が静かに語りかける裏で、
    ギターは遠くの山から木霊のように返事をしている。

    その関係性はまるで、一人芝居のような対話劇。
    ギターが“もう一人の自分”として、言葉にできない部分を背負っているように聴こえる。

    ブルースを“未来”として弾く

    クラシックな機材を、現代に響かせる意味

    レスポール、フェンダーのツイードアンプ、チューブスクリーマー。
    ボナマッサの機材は、ほとんどがヴィンテージだ。

    だけど彼はそれを、懐古趣味ではなく武器として使っている。
    “過去っぽさ”を出したいのではなく、“過去の鳴りを、いまの鳴りに変える”のが彼の流儀だ。

    それは音の話でもあり、態度の話でもある。
    ブルースというジャンルは、昔のものじゃない。
    彼はそのことを、ギターで証明し続けている。

    まとめ:ブルースを生きている男

    ジョー・ボナマッサの演奏を見ていると、ブルースがまだ“進化できる音楽”だということに気づく。

    古くさいどころか、むしろ未来を感じる。
    ギター1本で、ここまで言葉を超えた対話ができる人は、今どれだけいるだろう。

    彼の音楽は、ただの再現じゃない。
    ブルースを「いま」にアップデートし続ける意思の音だ。

    この記事は音楽メディア「クロマティック」によって執筆されました。