25周年を越えて──宇多田ヒカル、「Mine or Yours」をリリース

ベストアルバム『SCIENCE FICTION』でつないだ25年

2024年4月、宇多田ヒカルはデビュー25周年を記念し、初のオールタイムベスト『SCIENCE FICTION』をリリースした。
代表曲の新ミックスバージョンに加え、「何色でもない花」「Electricity」といった新曲を収録。過去と現在を往復するような構成は、アーティストとしての軌跡を改めて示すと同時に、新たな表現への扉を開くものとなった。

このアルバムを引っ提げて行われた全国ツアー『SCIENCE FICTION TOUR 2024』では、新旧の楽曲が並び、リスナーにとっては“25年の音楽を一度に体感する”特別な時間となった。

「Mine or Yours」で見せる新しい顔

25周年を経て、宇多田は立ち止まることなく新曲「Mine or Yours」を2025年5月に配信。コカ・コーラ「綾鷹」のCMソングとしても広く届けられた同曲は、繊細な旋律と力強いボーカルが交錯する楽曲だ。配信開始と同時に公開された「THE FIRST TAKE」での一発撮りパフォーマンスは、その圧倒的な存在感を改めて証明した。

さらに「Electricity」では世界的プロデューサー陣によるリミックスが発表され、既存の楽曲を拡張しながら、新たなリスナー層へ届く動きを見せている。宇多田の音楽がいまも変化し続けていることを強く印象づける展開だ。

25年を経ても止まらない表現欲求

「Electricity」のMV公開や新しいアーティスト写真の発表など、ビジュアル面での刷新も続く。映像作品『HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024』のリリースも予定されており、音楽だけでなく総合的な表現者としての歩みが際立っている。

デビューから25年。宇多田ヒカルは、記念を“振り返り”ではなく“新たな始まり”として提示している。
「Mine or Yours」に響くのは、その歩みを止めない強い意思だ。

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