言葉を超える愛──藤井風「Love Like This」が示した“普遍のやさしさ”

藤井風の新曲「Love Like This」は、アルバム『Prema』の中でも特に注目を集める1曲だ。欧米ツアーで先行披露されたこの楽曲は、言葉を超えて“愛そのもの”を描こうとする普遍性を宿している。ミニマルで洗練されたアレンジと、風の温かみあるボーカルが重なり、リスナーの心に静かに染み込んでいく。

シンプルさが描く“無限”

「Love Like This」は複雑な展開を排し、繰り返しのフレーズと柔らかな和音で構築されている。そこに生まれるのは、愛を説明し尽くさずとも感じさせる“余白”。シンプルだからこそ、聴き手それぞれが自分の愛の形を投影できる。

英語詞に込められた普遍性

全編英語で歌われることで、この楽曲は国境を越えた普遍性を帯びる。風の歌声には、発音や技巧を超えた誠実さが宿り、リスナーは言語の壁を意識せず感情を共有できる。世界へと視野を広げる『Prema』の中で、「Love Like This」は最も象徴的な存在だ。

藤井風が手渡す“静かな祝福”

この曲に派手さはない。しかし、聴き終えたあとに残るのは、穏やかに心を満たす余韻だ。藤井風は「Love Like This」を通じて、愛を特別なものではなく、日常に息づく“静かな祝福”として提示している。そこにこそ、彼の音楽の進化とやさしさが凝縮されている。

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