
疾走感とエモーションを重ねた一曲
7月25日に配信された「HOWL」は、TVアニメ『カラオケ行こ!』の主題歌に起用。
力強いビートの中に漂う繊細さは、Ayumu Imazu がこれまでに描いてきたサウンドの集大成のようでもある。
彼の特徴であるグローバルなポップセンスに、心の奥に潜む迷いや焦燥を混ぜ込むことで、聴く者を一気に引き込む仕上がりになった。
歌詞には、現代を生きるリスナーの心を映すような「立ち止まりながらも進もうとする姿」が刻まれている。単なる応援歌ではなく、迷いそのものを肯定するようなエモーションが息づいている点が、Imazuの楽曲らしさだ。
MVで描く“不安と衝動”
公開されたミュージックビデオは、映像作家・武田悠弓馬が手掛けたもの。
夜の街を思わせる舞台で、Imazu自身のダンスが曲のテーマを体現する。振り付けは一見シンプルだが、細かな手の動きや目線の変化が「迷いから衝動へ」と移ろう感情を的確に表現している。
MV全体に流れるスピード感は、疾走するビートと同調し、観る者に一種の“逃げ場のなさ”を与える。その中で浮かび上がるのは、「不安を抱えながらも叫ばずにはいられない」という人間の根源的な衝動だ。映像と楽曲が一体となることで、「HOWL」はただのポップソングを超えた存在感を放っている。
リリースを彩るプロモーションとライブ
「HOWL」のリリースにあわせ、7月28日には「LISTENING PARTY」、29日にはトーク生配信、30日には「Dance Practice YouTube LIVE」といった連日の企画が展開される。オンラインを通じて楽曲を体験できる場を設けるのは、グローバルなリスナー層を抱えるImazuらしい施策だ。
さらに、8月16日にはファンクラブ限定のファンミーティング、11月24日には東京国際フォーラム ホールAでのワンマンライブ「Ayumu Imazu LIVE 2025 – unbounded –」が決定。過去最大規模のステージに挑むことになる彼が、「HOWL」で見せた新たな一面をどう拡張していくのか、期待が高まる。
「THRIFTED」や「UNDERCOVER (with SIRUP)」など、ヒット曲を積み重ねてきたImazu。その軌跡の延長線上にある「HOWL」は、“迷いを駆け抜ける”というテーマを強く打ち出し、キャリアの新しいページを刻む楽曲になっている。叫びは確かに、国内外へ広がり続けている。