
繰り返すほど、深まっていく感情
SIRUPの『LOOP』を聴いていると、同じ言葉を繰り返すことの意味が少し変わって聞こえてくる。繰り返すからこそ、感情は濃くなり、余白には新しい解釈が生まれていく。
抑えたグルーヴが導く、感情の温度
ミニマルなビートと滑らかなフロウ。音の数は少ないのに、そこに流れる空気はとても豊かだ。ループするコード進行とリズムが、感情の波をゆるやかに揺らしながら、聴く者の内側をじわじわとあたためていく。
“I just wanna love you now”に込められた、現在形の決意
“I just wanna love you now”──この一文に、この曲のすべてが詰まっている気がする。「いつまでも」ではなく「今、愛したい」と言い切る強さ。その視線は、未来を焦らず、過去にもとらわれない。“今ここ”にある愛のかたちを、SIRUPは真っ直ぐに肯定する。
愛は直線じゃなく、円を描く
タイトル通り、この曲が鳴らすのは終わりへと向かう直線ではなく、巡っていく円のような時間軸だ。同じ言葉、同じメロディの中に、毎回違う感情が宿る。それこそが、“愛し続ける”ということの本質なのかもしれない。