「昨日の続きを鳴らすバンド──ELLEGARDENが今、必要な理由」

“あの熱が、冷めなかったことに泣いた。

ELLEGARDEN再結成の報を見たとき、胸に走ったのは熱狂ではなく、安堵だった。
止まっていた何かが、再び動き出す──そんな予感が、音より先に身体を貫いた。

彼らは“戻ってきた”わけじゃない。
昨日の続きを鳴らすために、“今”を選んだバンドだ。


再結成が“懐かしさ”ではなく“現在地”になる理由

今、再結成するバンドは多い。
でもELLEGARDENは、過去の名場面を再演しているわけじゃない。
あの頃の音の続きとして、今をちゃんと鳴らしている。

2018年の再結成から、彼らは一夜限りの奇跡で終わらせなかった。
アルバム『The End of Yesterday』というタイトルは象徴的だ。
“昨日の終わり”を歌いながら、その先の物語を止めずに走り続けている。


再結成が“懐かしさ”ではなく“現在地”になる理由

今、再結成するバンドは多い。
でもELLEGARDENは、過去の名場面を再演しているわけじゃない。
あの頃の音の続きとして、今をちゃんと鳴らしている。2018年の再結成から、彼らは一夜限りの奇跡で終わらせなかった。
アルバム『The End of Yesterday』というタイトルは象徴的だ。
“昨日の終わり”を歌いながら、その先の物語を止めずに走り続けている。


音楽の構造に“未完成の生命力”がある

ELLEGARDENの音楽は、構成が完璧で整っているわけじゃない。
むしろ、どこか粗くて、どこか尖っている。

でもその未完成さこそが、“生きている”音を生む。
スタジオ音源では届かない熱量が、ライブでは爆発する。
計算じゃない。衝動と一瞬の感情が、構造そのものを支えている。


歌詞は“物語”ではなく、“輪郭のまま”差し出される

「風の日」「Supernova」──
彼らの歌は、説明じゃなく感情の断片でできている。
明確なストーリーがないからこそ、聴き手の感情で埋められる余白がある。

それは、完成された物語よりも、リアルで、痛くて、沁みる。


音楽を“届けること”に対して、誰よりも誠実なバンド

フロントマン・細美武士はこう語っている。
「こんなにチケットが高いのは日本だけ。」

“若者が月に何度もライブに足を運べるような値段じゃないと、音楽は発展しない。”
そう信じているからこそ、CDアルバムより安い価格でチケットを売ることもある。

売上よりも、届き方を信じる。
利益よりも、熱量を優先する。
この誠実さこそが、ELLEGARDENの最大の強みだ。


思い出じゃなく、“今”を鳴らしている

ELLEGARDENの音楽は、懐かしさで振り返るものじゃない。
今ここにある感情を、ちゃんと鳴らしてくれる音だ。

思い出じゃなく、今鳴っている音だけが、明日を変える。
彼らは、夢を叶えるために戻ってきたんじゃない。
未完成のままでも進み続ける“いま”を、音で証明するためにいる

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