
【特集】
文:chromatic japan 編集部
2025年5月26日、ラスベガス・フォンテーヌブローで開催された第51回アメリカン・ミュージック・アワード(AMAs)。
その夜、最も観客の心を掴んだ瞬間の一つが、アメリカのポップロック・アーティスト、ベンソン・ブーンによる新曲「Mystical Magical」のパフォーマンスだった。
ステージは“音楽”を超えていた
鮮烈なパープルのクロップドジャケットとフレアパンツに身を包み、堂々と登場したブーン。デヴィッド・ユーマンのジュエリーをあしらったその姿は、まるでステージ上の魔術師。
演出・照明・衣装が融合したステージは、まさに“魔法”のような空間を創り出していた。
70年代ディスコの香りをまとった楽曲に、現代ポップのエッセンスが融合。オリビア・ニュートン=ジョンの「Physical」をさりげなくインターポレートしたことで、ノスタルジーと革新のバランスが絶妙に保たれていた。
「Mystical Magical」― 時代を横断するサウンド
この楽曲は、2025年6月20日にリリース予定のセカンドアルバム『American Heart』の収録曲。
4月に先行配信されて以来、SNS、とくにTikTokを中心に拡散され、Z世代とミレニアル世代双方から注目を集めている。
まるで「懐かしさ」と「新しさ」が手を取り合うようなこのサウンドは、ベンソン・ブーンの音楽的世界観をより広い世代へ届けるものとなっている。
ノミネート続出。次世代アイコンへ
今回のAMAsでは、「New Artist of the Year」や「Song of the Year(Beautiful Things)」を含む5部門にノミネート。
これまでの活動を通して培ってきた世界観が評価され、彼はすでに“新人”の枠を超えた存在となりつつある。
chromatic視点:「自己表現」と「戦略的プロデュース」
ベンソン・ブーンの成功には、単なる才能以上の力がある。
音楽性はもちろん、ビジュアルや衣装、演出、SNS運用に至るまでを自らプロデュースする力――それこそが、現代アーティストに求められる本質だ。
彼のように「音楽を核としながら自己を戦略的に発信できるアーティスト像」は、日本の次世代アーティストたちにも大きなヒントを与えてくれる。
編集後記
「Mystical Magical」という楽曲タイトルが示すように、ベンソン・ブーンのステージには確かに魔法のような引力があった。
そして、それは誰にとっても可能性の扉を開く“はじまりの音”なのかもしれない。
chromatic japanは、そんな“魔法”を本気で信じるアーティストを、これからも全力で支援していく。